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Subject: BETTER MAN 11th night -- nebula --

佐々木@横浜市在住です。

ベターマン、十一夜について。

基本線は回想を中心としたまとめの回ですが、それだけでなく
お話も着々と進んでいます。突然平凡な日常に戻れと言われた
二人の真情の吐露が一つの首題となっているエピソード。
# しかし、それにしては記事が長いな。(自爆)

# ベターマン、ビデオ、LD、DVD 8月25日から発売開始だそうで。
# 構成は各巻2話収録で全13巻。(ビクターだからそうなると思ってた。)
# 本当は最終話まで見てから円盤に手を出すかどうか決めたいんですが、
# それだと第一巻のハコ付きが手に入らないし。すっかり敵の手のうちだな。^^;
# ま、これまでのところ余裕で円盤コレクション入りの基準を満たしてるけど。

## 使い慣れた型式のサブジェクト表記、先を越されてしまったので
## ほんのちょっとだけ、マイナーチェンジしました。^^;;;



*****  以下は、ネタバレご注意! *****



「 ...」
アカマツ工業を見下ろす建設中のビルの骨組みの上にいる謎の老人。
# ラミアとセーメが居た場所ってのは偶然じゃないよなぁ。
# 老人はラミア達の動きを知っているっぽい。

「さ、遠慮せずに召し上がれ」
悪夢に魘され目覚まし時計よりも早く目覚めてしまったケイタ。
窓の外を見ると、辺りは一面霧に覆われていました。
# 夢の中でおっちゃんの口調が普段と違うのがリアルですね。(夢だから)
# しかし、何時見てもコ汚い部屋だな。



                         十一夜 「霧」 nebula



「あいつ、皆が思ってる程変な奴じゃないよ」
例によって交差点で車とニアミスしたケイタは薬屋の店先のマスコットに
激突してしまいます。それを見かけた女生徒達の冷ややかな視線。
昔からなの?という友人の問いかけに自然に擁護したヒノキが
今度はケイタに代わって彼女達の好奇の視線を集めてしまいます。
# 基本部分は使い回しなんですが、それがかえっていつもと同じようであり、
# 違うようでもある朝の風景という感じを出すのに効いています。
# それにしても学習しない奴だなケイタは。^^;
# そして、以前とは違って幼なじみであることを公言しているヒノキは
# ケイタの事を素直に思った通りに表現しますが、それは周りに
# 話題を提供してしまうんですなぁ。
# 二人の噂の出所は、あの「眼鏡っ娘」と見た。^^;
## ケイタのゲーム画面に懐かしいキャラが出演。

「おかえり」
霧が濃くて仕事にならないとぼやくアカマツ社長。蟲の屍骸を片付けていた
山じぃは、霧の中から微かに聞こえる鈴の音に耳を疑います。
そして近づいてくる人影。しかしそれは件の老人ではなく、リっちゃんでした。
気持ち悪い職場に耐えられないと言って出ていった彼女でしたが、
列車が動いていないため故郷に帰ることができず、独りで家にいる事も
できなかったので戻ってきたのでした。
そんな彼女を温かく迎えるアカマツ社長と山じぃ。
# 立て続けに直接怪物と遭遇しましたからねぇ。無理もありません。
# そうそう、ここでの山じぃの発言から判るように、リっちゃんの方が年上です。

「霊界の扉が開いている証拠」
ヒノキとその友人達は霧にまつわる伝承を話していました。
# あるいは霧自体が魔物であるというのは隙間から入ってくる物に対する
# 恐怖の現れなのでしょうか。此では、そういうお話が、霧の中(向こう)に
# 潜む敵の存在に対する漠然とした不安への喩えになってるのですね。

「もう乗りたくないの」
昼食を屋上で食べるケイタとヒノキ。
助かって良かったと言うケイタに自分でも信じられないというヒノキ。
家族の失踪に関わる事件の真相に近づきたいと願った為にアサミに
協力してきた彼女でしたが、ケイタの手伝うという申出を嬉しく思うものの
もう覚醒人には乗りたくないと言います。
# こちらにもショックが大きかった女性が一人。
# ヒノキの場合、それだけで無く自分がこれで真相に近づいて行けるのかという
# 不安もあるのでしょう。
# ヒノキは本作スタート時から一貫して、自信満々という訳ではなくむしろ
# 何となく覚醒人に乗っているという所があって、恐らく当初から
# これが自分の役目なのか?という疑問が在ったのでは無いかと推測します。
# その思いに、恐怖が重なって逃げ出したいという結論に至ったのでしょう。

「ま、頭上げてくれや」
復帰したヤナギはアカマツ社長に頭を下げますが、社長は妥協を知らない
彼の性格を知っており気配りを見せます。
ニューロノイドの引揚げを了承したというアカマツ社長は、従業員が
怖がっているといい、協力は此までだと申し訳なさそうに語ります。
その時、何かを感じたヤナギは事務所の方を覗き見ますが
すぐ後ろにやってきたアカマツ社長共々、見たのは何もない暗やみでした。
ヤナギは自分の能力に直接干渉してくる存在に気付き始めていました。
# 引揚げを了承したという発言から、アカマツ工業との連繋を打ち切る事を
# 先に持ち出したのはモーディワープ側の様ですね。
# そして従業員の心情を慮ってアカマツのおっちゃんも同意したという事でしょう。
# 復帰しはしたものの、ヤナギはまだ本調子では無いようです。
# それでも幻覚?は疲れ等ではなく何者かの接触らしいと判断できる程度には
# 回復した模様。
## ところで、"ギシ" 能力って何でしょ。

「人と違うって事は、良い事もあるけど ...」
サクラの髪を梳きながら、自分の子供の頃の事を話すカエデ。
しかし、何かを感じ取ったサクラにはその声は聞こえていません。
更にカエデはヤナギの弟の事を語りますが、カエデが言わなかった
ヤナギの弟の名前が何故かサクラの中に、その姿と共に浮かんでいました。
# サクラちゃんに自分の幼い頃を重ねているらしいカエデさん。
# でも聞いちゃいないサクラちゃんは霧の向こうから来る気配を感じます。
# それはヤナギの弟であるケイのイメージですが、敵側にケイが居るとは
# 考えにくいので、これはおそらく、この時別室で起こっていた
# ヤナギに対する敵の干渉(或いは攻撃か?)をサクラちゃんが傍受した
# という事なのではないかと推測します。

「これ以上ご迷惑はお掛けできません」
ニューロノイドの引渡しについて電話で相談するアカマツ社長とアサミ。
今までの協力に感謝するとともに、ケイタやヒノキの身の安全を考えると
これ以上は彼等を巻き込む訳にはいかないと言います。
アカマツ社長も、心残りは有るものの手を引かざるを得ないという結論でした。
そして、一連のUMA達の正体が見えてきたというアサミは
釧路のBPLへ赴くとアカマツに伝えます。
# ここでの会話より、アカマツ工業との協力関係の打切はどうもアサミ姉さんの
# 考えの様に思われます。どちらかと言えば素人の部類に入るアカマツ工業の
# 面々やケイタ達をこれ以上危険な目に合わせられないという判断でしょう。
# また、謎のモンスター達の正体に見当が付いたらしいアサミ姉さんは
# 釧路の "せいこう食料研究所" 略称BPLへ行くと言います。
# 一人で行ったらしい。無茶な。
# BPLって聞こえちゃったのですけど、これだと "せいこう" って訳語と
# 上手く結び付く(Bで始まる)単語が見当たらないんですよねぇ。
# 聞き間違いかもしれません。
# 実は、"せいこう"って部分もよく判らない。何でしょ。

「残るネブラの実は一つ」
自分達は誤っていなかったというセーメ。元凶なりしものが希望を蝕んでいると。
今こそ霧の向こうへ旅立つ時だというラミア。希望なる力が満ち溢れている
今の自分には勝機が有ると言います。
# ここでは意味深発言が多数。^^;;;
# 先ず、"元凶なりしもの" というのは敵の正体という事にします。
# それが希望を蝕んでいるという点は、今までの会話からラミア達の言う
# 希望とはデュアルカインドの方々っぽいので、彼らが直接狙われる最近の
# 事象を指していると考えてよいと思います。
# 求めるのが "元凶なりし力" と言っていますので、
# ラミア達の能力(の一部?)は敵と、根が同じか
# あるいはズバリ敵が造った力という意味でしょうか。
# それはアニムスの花が敵の傍に在るという事とも関連しそうです。
## アニムスの花在るところ敵あり。(アジャンター及び後出のBPL)
# 彼ら自身の誕生とも関係あるかも知れません。

「ヒーローになった様な気がしてた」
覚醒人に乗るようになって浮かれていた自分を振り返るケイタ。
でも仲間達から比べれば大した事はやっていないのだとサクラに語ります。
そして突然乗らなくていいと言われたケイタは納得できないものを感じていました。
サクラはケイタが居ないとダメだと言います。
ケイタはサクラが別れを惜しんでいるのだと思い、
時々は逢いに行くからと言いますが、サクラの様子がおかしい事に気付きます。
傍に居てと嘆願するサクラに、しかしケイタに出来ることはありませんでした。
# アカマツのおっちゃんの言い草(ケイタの物真似ですが)からして
# 細かい経緯などは聞いていないのでしょう。
# 納得できないというか、達成感の無い幕切れとケイタには感じられた様です。
# 頑張ってきたつもりなのに用無しと言われてしまった(と思っている)ので、
# ちょっと愚痴っぽいところもあります。
# 此でもサクラちゃんは半トランス状態とでも言いますか、何かを
# 感じているのですが、昼間っからずっとそうであるはずなのに
# カエデさん誰にも言ってないんでしょうか。
# 相変わらず何か起こるまで話を聞いてもらえないサクラちゃんでした。-_-;;;
# "霧の向こうで呼んでるの" はそのまんまの意味として、
# "悲しみに溢れた意識が一杯" とは、どう理解すればいいのかな。
# 囚われの身の犠牲者が一杯とかか? あ、件のカプセルの事かも。

「お兄ちゃん、教えて」
独り街を彷徨いながら家族のことを考えているヒノキ。
そしてこれでいいのかと問いかけます。
# ここでの "これ" は、覚醒人から降りるという事を指していると思われます。
# 自分で乗りたくないとは言ったものの、乗らなくていいと言われると
# また話が違う訳でして、これで手掛り(を得るチャンス)が無くなってしまうと
# いう事に対して不安を感じているのでしょう。
## 今回の「次の夜までサヨヲナラ」のバックも含めて、この辺りの
## 背景は横浜市内の風景となってます。
## 横浜が舞台だったんですねぇ。
## 蟲に食われない様に夜道には気を付けようっと。(笑)

「今まで色々とすまなかったな」
遂にニューロノイドを引き渡す日がやってきます。メンテキャリアごと
高速艇に乗せられたニューロノイドと共に引き渡し場所である
ホタルイカへ向かうケイタ達。
船上でアカマツ社長はケイタとヒノキに労いの言葉を掛けます。
それなりに楽しかったとケイタは答え、ヒノキは何も言わず俯きます。
# アカマツのおっちゃんもケイタもどこか寂しそうな顔です。

「お久しぶりです」
BPLを訪れたアサミは、研究所長である梅崎博士に会います。
梅崎はアサミを案内して研究所内の食料生産施設を巡ります。
調整された光源と、揚水を促す音波による水耕栽培を見学するアサミですが
食用の昆虫を目の前で生食する梅崎には、ただ唖然とするばかりです。
そしてアサミは、研究所を訪れた目的である
謎の生物達についての意見を梅崎に求めるのでした。
# 二人の会話はどうにもこうにも空々しいのです。所謂「腹の探り合い」。
# アサミ姉さんの「ご意見を伺いたい」は間違いなく鎌を掛けているのですね。
# しかしなぁ、カブトムシの幼虫かな、あれは。
# 幾ら調整された環境で養殖したのでも、生はちょっと遠慮したい。^^;

「聞かせてください、ベターマンの事を」
一方の壁全体がガラス張りの広間に通されたアサミは、
梅崎にベターマンの事を聞かれて驚きます。
モーディワープもBPLも同じネオから枝別れした組織であり
最終目的は同じはずだと言う梅崎。
アサミは今まで判っているベターマンの事をかい摘んで話します。
# ネオ?、モーディワープにも上部組織が有る様です。
# 同じ最終目的とは何でしょうか。言い方からして、この研究所の目的で
# あるらしい「食料事情の改善」というのはオモテ向きという事か。
# モーディの目的はアルジャーノン現象の解明だと前に(第二夜)アサミ姉さんは
# 言っていますが、それもオモテ向きなのか。
# もう一つの考えとしてはBPLもアルジャーノンの解明に取り組んでいるとも
# 言えなくも無いのですが、それにしてはアサミ姉さんの驚き方が引っかかります。
# 梅崎の口からベターマンという単語が出るとは思っていなかった様ですし
# アサミ姉さんの意識ではBPLはベターマンやアルジャーノンの問題とは
#(本来は)関係ないハズなのだろうと考えるのが妥当かと思われます。

「それなら良く知ってる」
アサミはベターマンが変身前に食するソーマの様なものが起爆剤の役目を
果たしていると考えられると言います。
それに対して知っていると言う梅崎は、ガラスで隔てられた隣室の照明を点けます。
照らし出された光景に息を飲むアサミ。そこには一面にアニムスの花が咲き乱れ、
幾つかの茎にはネブラの実と思われるものまで実っていました。
やがてアサミは漂っている何かの匂いに気付きます。
その香りを嗅いでいるうちにぼんやりとしてしまうアサミ。
そしてアサミは梅崎の勧めるままに幼虫を貪り食うのでした。
# 梅崎がアサミ姉さんに研究室に戻るべきだと言ってますがこれは
# 1)研究者(ごとき)が探りを入れようとしてもムダだ。
# 2)あなたは研究室(ココ、BPL)で私の手下になりなさい。
# の二つの意味を含んでいると考えます。
## それにしても見事な食べっぷりですなぁ。^^;;;
# ラミアが求める力はまさにコレでしょう。
# 意味もなくアニムスを栽培しているとは考えられませんので
# BPL(梅崎)もアニムスに用があるという事ですね。
# それと、BPLを見下ろす風景に重なるアサミ姉さんのモノローグ、
#「空は天に在り ...」の一節は何となく宗教くさい。何かからの引用かな。
# このエピソード、シーンの換わり目毎にナゾの文字の様なものが出てきますが
# さっぱり意味不明なので考察は省略。^^;
## ここの所だけは「死」という字に見えましたが。
# ソーマって聞こえたんだけど、アサミ姉さんが実を喩えた言葉。
# それって酒乱の格闘女とかオサゲの姫様と関係あり?(無い)

「殺されるの」
ホタルイカに到着したアカマツ工業の一行を待っていたのは、アサミとの
連絡が途絶えているという事実でした。そしてBPLは道路の寸断により
孤立しているとの情報も入ります。
そして急がなければ殺されるというサクラの訴えにケイタとヒノキは
徒ならぬ事態が起こっているのだと理解します。
その時、ケイタは自分の名を呼ぶチャンディの声を聞くのでした。
# という事で引継ぎどころじゃ無くなるアカマツ工業の愉快な仲間達。
# だから最初からサクラちゃんの言うことを真剣に聞いておけばいいのになぁ。
# そして何故だか液体の中でオマケに首に輪まで嵌められているチャンディ。
# う〜む。流石のチャンディも蟲の大軍はキツかったのか。


***** 今回はココまで *****


霧の彼方で啼いてるの
三つの龍が待ってるの
悲しい所 神様のルールに逆らう砦
殺さなければ殺される
鋭い牙につかまれる
あなたの喉笛 掻き毟る

次回 十二夜 「龍」 dragon

# 十夜の蟲達が再登場でついでにボスキャラのドデカ蟲も登場だ!
# 三つの龍とは? 
# 神様のルールに逆らう砦というのは遺伝子改変生物の製造元って事だよな。
# そしてゲテモノ食いにされたアサミ姉さんは社会復帰出来るのか。
# チャンディをイジメた奴は誰だ!出てこい!(怒)

次の夜までサヨヲナラ(by のけぞりヒノキ)
# お尻の線がエッチ。*^^*

では、また。

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■■■■■■ 佐々木 英朗 ■■■■■■■
■■■■ hidero@po.iijnet.or.jp ■■■■
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