From: hidero@po.iijnet.or.jp
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Subject: Gene Shaft #13 (6/28)
Date: 30 Jun 2001 00:28:35 +0900
Message-ID: <9hi6r3$njo@infonex.infonex.co.jp>

佐々木@横浜市在住です。

『ジーンシャフト』
第13話「幼年記の始まり」の感想など。



# ネタバレあり。以下、当該エピソードを既にご覧の方のみ。



■闇
太陽を覆う黒い影。無数のリングによって幾重にも囲われた太陽からは陽の光も
届かなくなります。そしてやがて訪れるであろう太陽その物の崩壊。
オベラスの行動を阻止する為にエウロパに向かったミカとそれを妨害するミール。
互いの想いがシャフトを通してぶつかり合います。
予想を越えた動きを見せるミカのシャフトに抱き留められるミールのシャフト。
そしてミカの言葉から、ミールはセルゲイ以外にも自分を思ってくれる人々の
存在を知るのでした。

# シャフトのドツき合いとは … ^^;;;;;
# 好意的に見ればやはりミール様はミカやレミィやマリオが好きだったって
# 事なのでしょうけれど、ちょっと簡単に説得され過ぎる気がします。
## ミール様は寂しがり屋さんなのかな。

■人ならざる者
エウロパの氷原で対峙するヒロトとセルゲイ。人類の終焉を共に見届けようと言う
セルゲイでしたが、ヒロトは人類の為に役目を果たすと宣言します。
一瞬の後に銃火を交える二人でしたが、ヒロトの放った弾丸がセルゲイの身体を
貫きます。ところが哄笑と共に立ち上がるセルゲイ。個々の細胞が瞬時に復元する
特殊な遺伝子を持ったセルゲイは肉体の一部の損傷では死なない存在でした。
そしてセルゲイはその様な肉体を持つ者を作り出した人類は宇宙に存在しては
ならないバグなのだと言うのでした。

# イモータルってそういう奴等ですか…気持ち悪い。-_-;;;
# しかし、即死しなくても例えば頭部を撃ち抜くとかすれば少なくとも記憶や
# 知識の一部は失われるでしょうし、無駄口や悪巧みは停まると思いますが。^^;

■ゆらぎ
ビルキスのクルーが巨人達の残した技術を使いこなしている事、それによって
オベラスは混乱したのだとセルゲイは語ります。しかしそれとて人類というバグの
中の纔かなゆらぎに過ぎないと言うセルゲイ。ですがヒロトはそれこそが人類の
可能性である事を悟ります。そしてその一つの形がミカの持つホワイトタイプの
遺伝子である事も。

# ミカが人類を救う事になってもそれはオマケだと言ったヒロトは何か良いです。
# そういう大きな事はついでに成し遂げられるみたいな軽さ/ユーモアが
# ヒロトに有るとは意外でしたが。(笑)

■帰還
ビルキスに帰ったミールですが、素直に艦に戻る勇気はありませんでした。
そんなミールをチキの乱暴で正直な言葉が温かく迎えるのです。
ブリッジに戻ったミール、チキ、そしてドルチェらの眼前で
エウロパが変貌を遂げ始めます。
地表に達したミカのシャフトが新たなプログラムを発動し、今までのどんな
リングとも異なる強力なリングをエウロパの軌道上に生成しました。
それと同時に太陽を覆っていたリングは相次いで消滅します。
エウロパを取り巻いたリングによって地熱が上昇、大規模な地形の変革が
起こります。それを単なるエラー事象であるとしか考えないセルゲイは
遂に人類の可能性を知る事無く地核変動に飲み込まれてしまうのでした。
やがて穏やかになった地表で出合うミカとヒロト。
上空には二人を迎える為にビルキスがやって来ていました。

# 眠りが浅いのかもう起きてきたドルチェ、今回は人形が話していても
# その話の内容に合わせて本人の表情も変わっています。何の心境の変化なのかな。
# そのドルチェが「私のプログラムは完璧ですわよ」と言いながらイケイケな
# ポーズをしているのを「うぇぇ…」という感じで見ているチキが笑えます。^^;
# 流石に今度は帰りづらかったらしいミール様ですが、
# チキのないすふぉろーで何とか素直になれました。良かった良かった。^^b
# セルゲイの同位体の皆さん総出演。何だか処分された連中の方がマトモな事を
# 言っていますが、これはセルゲイの中の壊れていない部分が語っているのでしょう。
# 生き残ったセルゲイはフィーアと呼ばれて居ましたが、つまり4番ですか。
## フィーアって、フィア様@DTエイトロンと同じ語源なんだろうなぁ。
## でも、こんな馬鹿野郎とフィア様が同じ呼び名なんて嫌〜ん。^^;;;
# ヒロトの回想シーンからするとリョウコはヒロトが幼馴染みだとは気付いて
# 居なかった様で。
## とにかく死んだ人が語りかけてくるシーンの多い回でした。^^;;;;;;;;

●まとめ
先ず真っ先にラストを見て思った事なのですが、一言で言うと拍子抜け。^^;
カタルシスって言えば良いのでしょうか、終わった後の爽快感が無くて
「あれ?終わっちゃった?」という感じなのです。

割と綺麗に終わったとは思いますが結局オベラスが人類をテストし
どうやら及第点を取ったらしいという事と、オベラスの存在の意味を微妙に
勘違いしたらしい馬鹿者が退場したって事…かなぁという判った様な判らない様な
足下の不確かさ収まりの悪さを感じてしまいます。
これが暗い救いの無いオチならば気にならないはずなのですが、
ハッピーエンド(多分)であるのに本当にそれでいいのかなぁ?という
解釈への自信の無さがどうしても払拭出来ませんでした。
これが未来への可能性は一つでは無いのだから、特定の解釈に結び付かないのは
当然だと考えれば「成程」という所なのですが、どうなんでしょうね。^^;;;

それから全体に関してですが、まるで人間の筋肉や筋を模した様でありながら
金属の質感を持つシャフト、そして古代生物か魚の様に見えるビルキス、
さらに女性を中心とした優良種社会と謎の異星人の遺跡といった興味深い
舞台設定を残念ながら活かしきれていない気がします。

ついでに全く個人的印象を言えば、冷酷に切り捨てられた命があるのに
ラストがほんわかふんわり過ぎて、このオチに導くのにレミィやソフィアは
死ぬ必然があったのか?という気がしてしまいます。
別にレミィやソフィアが最後にビルキスのブリッジに居ても構わないんじゃ。^^;

更に言わせてもらえば、せっかくキャラが立って来たベアトリーチェやチキや
ドルチェやらがこの後どういう生き方をするのか凄く気になるんですけど
ビデオソフトの最終巻に第14話でも付けてくれませんかね。^^;

# 文句ばっかりですが、それだけじっくり見ていたって事でご容赦を。^^;

ともあれ、3ヶ月という短い時間でしたが価値観の全然違う社会を描きながら
そこから人類というモノの先にあるのは何かという事を考えるきっかけを
与えてもらえた事は何とも知的興奮を感じ楽しかったです。
本作の制作に携わった総てのスタッフ&キャストの皆さんに感謝いたします。
そして末筆ながら私の拙い文章にお付き合い下さった方々にも御礼申し上げます。

では、また。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ それにしても来週からの番組は
■■■■■■ 佐々木 英朗 ■■■■■■■ 全然系統が違うのね。
■■■■ hidero@po.iijnet.or.jp ■■■■ キャラデザがエンジェルリンクス
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ に似ている様な気がするニャ〜の。


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