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From: 佐々木 英朗
Newsgroups: fj.rec.animation
Subject: KiddyGrade The 12th talk (01/07)
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Organization: DION Network
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佐々木@横浜市在住です。


キディ・グレイド 第12話『Frozen/Life - 死生 -』


# 色々と考えさせられる台詞が多く、長めの記事になってしまいました。
# 本編の内容に触れていますので未見の方は注意。





■粗筋:
ESメンバーを除名となったエクレールとリュミエール。それは自動的に
二人が粛清処分されるという事を意味していました。他のESメンバー達が
淡々と或いは暗い気持ちでその事実を受け止めていく中、粛清部隊が出発します。
エクレールとリュミエール、そして成り行きで同行しているアームブラストが
向かった先は政治的に中道であり移民率が高いという理由で選んだコロニーLAV-78。
しかしそこは既にGOTTの粛清部隊である内務13課が展開していたのです。
エクレールとリュミエールが立ち寄ったバーで、バーテンの女性は自ら内務13課の
者だと身分を明かし、二人の意思を確認します。投降か、逃亡か。
投降の意思が無い事を確認した彼女は黙って二人を見送ります。町中に配置された
狙撃兵の気配。ですが彼等は宇宙港へ向かう二人に対してなんら行動を起こしません。
リュミエールはそこから内務13課は足止めの為の先発隊であり、二人が直接対決
するべき部隊の到着を待っているのだと判断します。そしてその予測通り、ラミューズ
へと辿り着いた二人を包囲したのはGOTTの実働部隊、SOメンバー・チーム2でした。
チーム2はラミューズに拘束ワイヤーを接続。それは単なるワイヤーでは無く、
無理に切断すると爆発するという代物。コロニーの半分は吹き飛ばせるという威力を
持つそれはチームの全員、そしてコロニーの多くの市民を盾にしてエクレールに投降を
迫る為の用意なのです。チーム2の隊長ライアンの決意を感じ取るエクレール。
しかし投降の意思の無い事もまた変わりようがありませんでした。そして予想以上に
早かった粛清部隊の展開がアームブラストの通報の結果である事が判明します。
遂に行動を起こすエクレールはワイヤーを切断、爆破装置はリュミエールが無効化し
ライアンは苦汁の選択としてDコマンドの発動を決意。それはESメンバーの体内に
あるナノマシンに肉体の直接破壊を指示する装置でした。約束が違うと抗議する
アームブラストの怒声を無視して発動されるDコマンド。エクレールとリュミエールは
ラミューズに乗り込む前に倒れ苦しみだします。自らの能力で体内のナノマシンを
制御し命を取り止めたリュミエール。ですがエクレールの処置は間に合わない…
突然二人に近づき始めるアームブラスト。制止するチーム2副隊長を無視して
エクレールの時間を止め、その間に処置する様にリュミエールに告げます。
アームブラストは宇宙惑星連合のESメンバーなのでした。
回復の過程で物凄いエネルギーを放出するエクレール。ライアンは彼女が自分達の
手に負える相手では無い事を覚ります。そしてアームブラストが二人は既に逃亡した
と宣言した事に合わせ、部隊の撤収を指示するのでした。

■雑感:
除名=粛清という事はESメンバーには引退してのんびり余生を送るなどと言う
選択肢はきっと無いのでしょうね。その存在というか身体自体が機密であり
組織の外にて自由に存在する事は許されないと。

それでは他のESメンバーの反応をまとめてみましょう。
●トゥイードゥルディ「味がしませんわ」:大分落ち込んでいる模様。いい人です。
●トゥイードゥルダム「二人の事を気にし過ぎだよ」:姉が悩んでいる事の方が心配。
●アンオウ「逃げ切ってみろっての」:やや呆れ気味。気にはしている様です。
●エイオウ「多少、気の毒だがな」:やはり気にはなるが、心配という程では無い様子。
●ヴァイオラ「エクちゃん、要領悪いんだから」:唯一泣いてくれてました。;_;
●シザーリオ「…」:ヴァイオラに伝えるタイミングを悩んでいた風な印象です。
●シニストラ「また彼女だ」:どうやらエクレールの反乱が初めてでは無い事、
 つまりは彼女の事情を知っている模様です。
●デクストラ「自ら記憶を消しても、また同じ人世を繰り返すとはな」:シニストラと
 同様にエクレールの事情を昔から知っているらしく、しかも過去を失った状態の
 エクレールが自分で選んでそうなったとも言っているのが興味深い点。
●アールヴ「この料理も食べ納めだな。忙しくなる」:これは結構意味深な台詞です。
 忙しくなるというのはエク&リュミ分の仕事が他のESメンバーに回ってくるから当然
 ですが、料理が食べ納めという事は2度と暇には戻らないという事?解釈は2通り。
  1)そう遠くない時期に二人の粛清任務が自分達に命じられるだろう。その時には
    任務に成功しても相打ちになる可能性が高いので“食い納め”。
  2)ESメンバーは一旦減ると増員という事はあり得ない。新たにESメンバーが
    誕生する事は無い。
 自信家のアールヴが(1)の様な事を言うとは考えにくいのですが、第6話の
 SOメンバー・パドゥーシカさんの台詞によるとESメンバーに出世する可能性は
 ゼロでは無いらしく(2)というのも微妙に合いません。真意は?>アールヴ
●ドヴェルグ「エクレールは命乞いをするかな」:ここで言う命乞いとは査問会に
 出てくるか?という意味でしょう。アールヴが即答で否定していますし、ドヴェルグ
 自身もそんな事は無いと思っているのでしょう。これは前のアールブの発言に
 対しての解釈(1)に近い、「面倒な事になりそうだ」という意味を遠回しに
 表現している言葉なのだろうと解釈してみました。
# ちなみに全員何か食っている様子というのが面白いです。^^;
# 個人的に物を食うシーンというのは何を食っているかを含めて
# そのキャラの一番嘘の無い部分が見えている気がして好きです。
# エク&リュミもバーで食事をしながら今後の事を話していましたし。

そうそう。バーのシーンで最初に内務13課の彼女がリュミエールに言った
台詞はさりげ無く聞き流してしまいがちですが、彼女が名乗る前からGOTTの
関係者だと匂わせています。リュミエールが紅茶と葡萄ジュースの両方が
好物だと知っていたのですから。
# リュミエールがその台詞を聞き流してしまった事が逆に意外でした。
# ちょっと油断していたという事になるのでしょうか。

ESメンバーが割と判りやすい反応を見せているのに対して、イマイチ胸の内が
読めないのがエクリプス局長の反応です。次に使えないとして処分されるのは
自分であると自嘲気味に言っている点から、近々自らも組織に対して反旗を翻す
可能性を示唆したとも取れますが。
エクリプスに向かって「二人の為に取っておいた紅茶」という発言で、
さり気なく嫌味を言っているメルクルディはナイスです。(笑)
彼女も正体に謎の部分がありますが、エク&リュミの友人という部分に
嘘は無いのでしょう。(そう信じたいところ)

チーム2のライアン隊長の行動は一見すると卑怯な手段なのですが、
実際は誰も傷付けずに解決したいという彼の意思の現れでもあります。
その気になれば彼等を全員一瞬で倒す事はエクレールには然程難しくないはず。
# 実際、前回群衆を包囲した兵士の半分を片手のひと振りで薙ぎ倒してます。
そうはせず逃げるという選択をしているのはエクレールも彼等と戦いたくは
無かったから、という事ですね。

連合のESメンバーとは吃驚なアームブラスト兄ちゃん。
どうりで隠し芸のレパートリが多い訳です。^^;
そんな彼が本気で怒ったのは初めてです。チーム2(というかGOTT)に対して、
二人の居場所を教える代わりに粛清だけは回避する様に要請していたのでしょう。
内務13課の女性、そしてアームブラストのどちらも二人に対して
「好運を」という言葉を送っています。
心情としてはエクレールの行動は理解出来るという事ですね。

二人の留守中にアームブラストがラミューズの方を向いて誰かと話していたシーンは
気になります。食料の補給に関して誰かの判断を仰いでいた様に見えました。
そもそも逃亡を阻止するのであれば補給どころか留守中に燃料(何かは不明ですが)を
抜いておくというのが筋でしょう。そういった点からも彼は二人寄りの位置に居る事は
間違い無く、なおかつそれを影ながら支持する者が他にも居るという事になります。
# 局長かなぁ、やっぱり。

繰り返される台詞には深い意味があると考えるべきでしょう。
アームブラストが繰り返した「弾の無駄使い」という台詞。
“今、目の前の居るのは君の本当の敵では無い”という意味ですね。
やがて本当の敵と対峙する日が来た時の為に。

アイキャッチはふぢまるありくいさん。またしても存じ上げない方です。^^;
# コミック版『キディ・グレイド・バーサス』の漫画家さんだそうで。
## アイキャッチBの判脱ぎアームブラストは嫌過ぎ。(爆)

では、また。

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■■■■■■ 佐々木 英朗 ■■■■■■■
■■■■ hidero@po.iijnet.or.jp ■■■■
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