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Subject: Vampire MIYU #24 (03/23)


佐々木@横浜市在住です。

.....-_-;

重い。

後味が悪い。

でもこういうのが、ずっと引っかかって残るんだよなぁ。
咽に刺さった小骨みたいに。

# あんまりコメントが付けられませんでした。
# なんか生命力下がってしまって。
# 千里に吸い取られてしまったんでしょう。
# では本編です。
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    「また旅に出ようよ。」


    赤い空の下。校舎のベランダに険しい表情で佇む千里。
    誰もいない教室には一つの机に花が活けられていた。
    そして花と共に飾られた写真には微笑む久絵の姿があった。

# 珍しく真面目な千里。いつもなら、すぐに崩れるんですがね。

    久絵の葬儀の日。悲しみに暮れる列席者の中にあって
    千里はついに堪え切れず叫んでしまうのだった。
    そして霊前に語りかける由香利にも久絵は答えず、
    ただ在りし日の笑顔を見せているだけだった。

# 霊前に供えられた本の数字 "1930" (1920だったかも)
# が何か深い意味でもあるのかと思ったのですけどね。
# 別に深い意味はなさそう。
# 大体、文字がつぶれて題名が読めんし。
# 由香利が言ってた最後に読んでた本って事なんですね。
# 吸血鬼物らしいけれど。葬式で供えるかなぁ。いくら愛読書でも。
# あ〜あ。レギュラー陣で一番他人じゃ無い気がする娘だったのに。


        [オープニング]

           [CM]

          第二十四話

        「最後の神魔」

    校舎のベランダで物思いに更ける千里。
    久絵の葬儀の日の事が頭の中を駆け巡っていた。
    あの日、由香利は言ったのだ。
    美夕が千里の家の鏡の中から出てきた事を。
    それを久絵と共に目撃したこと。
    そして美夕の失踪。
    由香利は美夕は事件に関係していると言った。
    千里はそんなことは聞きたくは無かった。
    由香利は千里が美夕と出会って以来変わったと言う。
    怒って立ち去ろうとする千里に由香利の一言が響いた。
    「久絵はどうなるんだい?」
    ベランダに佇む千里は美夕のことを想った。
    なぜこんな時に美夕は側に居てくれないのだろうかと。
    そして美夕との友情の証であるイコンは
    キーホルダーの部分を残して失われていた。
    千里は茫然とそれを見詰めた。

しっかり閉じているホルダーからイコン部分だけ無くなって居ます。
後で出るのですけど、無くなった経緯を見ているのに、このときは
驚いています。つまり人間モードでの思考。
そして、今まで私(佐々木個人)が信じていた方の千里の考え方での
回想です。

    夕闇の中、由香利は賽川霊園の中を歩いていた。
    久絵との会話を思い出しながら。
    久絵は独りで色々と調べていたのだった。
    美峰や璃莉の見舞いに出向き、そして首にある同じ傷に気付いていた。
    何かを掴みかけていた。そして ...
    由香利は警察から聞いた話から、久絵は美峰達と同じ目に会ったのだと
    考えていた。そして美夕が関係していると。
    そんな様子を見下ろしていた美夕達。
    死無はあれは人間の仕業だと言ったが、美夕は納得しなかった。
    ラヴァは美夕の気の済むようにすれば良いと言ったが、
    しかし、この街には長く留まり過ぎたとも言った。
    なぜとのラヴァの問いに、美夕はわからないと答えた。

真実に近づくためには美夕に会う必要があると思った由香利。
でも美夕はこのときは会いません。
監視者として接触を避けたのではなく、由香利を心配しての事と思います。

# 死無、少し黙ってなさい。

    家に帰った千里は、兄の事を思っていた。
    なぜまた出ていってしまったのだろうかと。
    だがそんな千里を出迎えるのは人気の無い暗い家だった。

真っ暗な家なのに、何も不思議がらない千里。
すでに向こう側に行き始めているのでした。

    由香利は夜の公園で何かを探した。久絵の死に結び付く何かを求めた。
    近づいてくる足音に振り返り懐中電灯で照らした先には美夕の姿があった。
    「何か見つかった?」
    「何処に行ってたんだい?」
    「私も探しているの。久絵を殺した犯人を。」
    「あんたじゃ無いって言うつもり?」
    「由香利、手を引いてくれない? これはあなたの手に余ることなの。
     私はこれ以上、誰も危険な目に会わせたくない。」
    「答になってないよ! 美夕、あんた一体何者なんだ?」
    「多分、あなたには判ってもらえない。」
    「何勝手なこと言ってるんだよ。」
    見詰め合う二人。だが美夕は由香利に迫る危機を感じ彼女を突き飛ばした。
    由香利が今まで居た場所に突き立つ黒い羽根。
    それをみた由香利は動揺した。そして美夕への疑念が揺らぐ。
    美夕の視線は既に闇の先へ向けられていた。
    樹上から降り立った一人の男。
    美夕はその顔に見覚えがあるような気がした。
    その疑問には男が答えた。
    千里との友情の証のイコンを売った露天商の男だったのだ。
    そしてそれが美夕の神魔を感じる力を弱める作用を持つことを告げた。
    その影響で自分が此まで近付けたのだと。
    そして美夕の見詰める前で千里のと絆は砂の様に崩れ去った。
    男は正体を現した。
    神魔「嘴貧」(しどん)
    そして美夕もまた炎と共に監視者としての姿に戻った。
    由香利の見ている前で。

美夕はきっと、このまま放っておくと危ないと思って由香利に会う気に
なったのだと思います。(監視者としては会う理由が無いので。)
そして美夕の行動から、少なくとも久絵を襲ったのが美夕ではなさそうだと
由香利にも判ったのでした。

本当は自分のイコンが消えた段階で、美夕は千里について考察するべきだった。
しかしながら勘が鈍った美夕は結局神魔に全部説明されるまで
何も気付かなかった。

# しかし、変身してボバーン!はないでしょう。>効果音決めたスタッフさん。

# 炎じゃなくて、制服が霞むようにして
# 崩し和服に変化した方が綺麗だと思うんですが。
# あれじゃ、超能力戦士とか魔法使いのノリ。

        [CM]

    嘴貧との戦いになり美夕は由香利を逃がした。
    ラヴァの加勢で互角となるほど嘴貧は強敵だった。
    だが嘴貧は美夕と話がしたいと言った。
    美夕の作る異空間で嘴貧が語ったこと、それは。

    由香利は、今見た出来事を千里に語るために彼女の家を目指した。

    嘴貧は人間を殺したのは予行演習と言った。

    千里は笑顔で由香利を出迎えた。
    混乱していて、まだ上手く説明できない由香利を家に迎え入れる千里。

    嘴貧は監視者を狙う「鳥」一族の計画を語った。
    それは最強の神魔を産み出すこと。
    そのために千里を利用したのかと美夕が訊いたが、
    嘴貧はそれを聞いて、ただ嗤った。

    由香利は千里に案内された部屋をみて驚いていた。
    部屋全体が、まるで空に浮かんでいるような意匠。
    由香利は千里の様子がおかしいことに気が付いていた。
    千里は今まで自分が何者か知らなかったと言う。
    そして現れた両親を紹介した。
    二人の顔は人の物では無かった。

# 鶏は無いよなぁ。

    千里が慕っていた兄を利用したことにこだわる美夕。
    だが嘴貧は、それが捨て駒であった事、最強の神魔の目覚めまでの
    時間稼ぎだと言った。
    そしてイコンは最強の神魔を隠すための目眩ましだと言った。

    由香利に迫る人にあらざる千里の両親。

    嘴貧は言った。最強の神魔はずっと美夕の側に居たのだと。

    ある日の昼下がり。
    千里に判ったことを話そうとしていた久絵。
    そんな二人のところにあらわれた露天商の男。
    彼は千里のイコンを借受け、そしてそれを粉々にした。
    千里はそれを咎めたが、しかし彼の言葉に耳を傾けているうちに
    もう一人の自分を目覚めさせた。
    卵の殻を破って。
    そして久絵を兄の残した独鈷で突き刺した。
    正気に返った千里は倒れている久絵を見て絶叫した。

    千里の真の姿と、イコンの意味を知った美夕。
    嘴貧は千里を生まれながらの神魔だと言った。

美夕はまだ千里が利用されている人間だと思っていた(思いたかった)んですね。

普通?の神魔は人間の特定の(ほとんどは負の)感情に依っているのですが
「鳥」の神魔は違うのです。では、彼等の拠は何でしょうか。
それは「監視者」の存在そのものかな。

    二羽の鳥に捕まえられた由香利。
    千里は由香利に言った。力を貸して欲しいと。
    そして千里は由香利を大好きと言った。
    由香利の笑顔の下で由香利の表情は白く凍り付いた。

由香利のモノローグから久絵が失血していることが判っていますので
独鈷は血を吸うんですな。それが千里の力になるって事は
千里(認めたくないが「鳥」神魔)の拠は人間の血ということになります。
それはつまり美夕と同じなんですよね。

    ラヴァにその場を託し、千里のもとへ向かう美夕。
    嘴貧は思う壷だと言った。
    ラヴァを足止めすれば、美夕は千里が倒すと。

    駆け付けた美夕が見たものは、倒れている由香利と
    笑顔で出迎える千里だった。
    「美夕、来てくれたんだ。」
    「千里 ...」
    「キーホルダーは無くなっちゃったけど、私達友達だよね。ずっと。」
    美夕は、ただ茫然と千里を見詰めることしか出来なかった。
    「だから、死んでね。わたしのために。」

妖しいけれど他の神魔の様に下品に崩れない千里の微笑みが
余計に寒々しい。

さて、「鳥」神魔のよりどころ(つまりは生命線ですか)が
"監視者の存在"と、"人間の血"の二つ考えて見たのですが。
どっちかなぁ。じつは両立もするので区別は無意味かもしれない。
監視者が居ない情況での「鳥」神魔のありようが確認できないので
結論も出ませんけどね。

# 皆死んでしまって。
# 結局、神魔(と美夕)に関わって不幸にならなかった人って居ないのね。
# 見のがされた神魔とか赤ん坊になって逃げた男とかは居たけれど。
# 不幸予備軍が神魔に依られるのは仕方ないとしても、
# 由香利と久絵はとんだ貧乏くじ。
# よもや千里も助からんだろうし。
# 仮に人間側(の精神)に戻っても、家族と友人を全て失っているから
# まともに生きて行けそうもない。
# 神魔として闇に帰るか、人間として夢を見続けるか。
# 千里は夢を見ていたいらしいが。


          [CM]

      [エンディング]

          次回予告

    「好きだったの? お兄さんのこと。」
    「そうだよっ、私大きくなったら絶対お兄ちゃんの
     お嫁さんになるって決めてたんだから。」
    「でも千里、あなたは大きくはならない。」
    「だからいいんじゃない!
     いつまでも、そう思っていられるからいいんじゃない。
     私の夢だったの! 美夕が壊しちゃったの!
     だから美夕、死んで ...」


        『永遠の午睡』


さて、眠りにつくのは誰でしょうか。

では、また。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ここまで打ちのめされると、
■■■■■■ 佐々木 英朗 ■■■■■■■ メルちゃんの笑顔を半日くらい
■■■■ hidero@po.iijnet.or.jp ■■■■ 見続けないと復活できん。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ デザートに猫娘も付けよう。


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