『神風・愛の劇場』主な登場人物

複数の作者の共作なのに基本設定を全然話し合っていない本作。
その際たる部分がキャラ設定の違いです。
ここでは作者の一人である私の主観をご紹介。
(注・本編の設定と往々にしてズレてます。そういう部分は深く気にしないで下さい。)

■人間界の皆さん

●日下部まろん 桃栗学園新体操部のエース。16歳。栗色のロングヘア。 両親の不仲の所為でマンションに独りで暮らしている。 その為に男女の愛よりも親子の愛に敏感。 欲求に正直な性格で、相手が明確に拒否しない限りは突き進むタイプ。 どちらかと言うと同性好きだが、男が嫌いな訳では無い。 かなり惚れっぽく一見手当たり次第に見えなくもないのだが、彼女自身の中では それぞれとの関係は並立していて別個の物と認識されている為、全く罪の意識はない。 そんな若干の倒錯趣味を除けば、極々普通の女子高生。 [怪盗ジャンヌ] 日下部まろんの仕事用の姿。金髪だが変装では無く変身である。 何故かこの姿の時には運動能力が格段に優れているのだが、 単なる本人の思い込みの産物という可能性もある。 また、悪魔達の力を跳ね返す障壁は普段の姿の時とほぼ変わらないらしい点も 思い込み説を裏付けている様に思われる。
●名古屋稚空 日下部まろんの隣人。16歳。 大病院を経営する父親との確執から家出状態にある。 もっとも内心では殆ど和解しているので、いまの生活が気に入っているのであろう。 外見も言動も軽薄だが、根は案外純情であり学業も優秀らしいが、全くそうは見えない。 真面目に不真面目な極々普通の"健全な"男子高校生。 [怪盗シンドバッド] 名古屋稚空の仕事姿。ジャンヌと違って単なる変装らしいが、 誰も着替えている所を見た者は居ない。 稚空がこの姿になる理由は“気分の問題”であるらしい。
●東大寺都 日下部まろんの幼なじみ。16歳。黒髪、ややショートヘア。 物心付いた頃からのまろんの友人であり正真正銘の"幼なじみ"である。 本作品の登場人物の中では数少ない、問題の(多分)無い家族に囲まれている。 まろんの本音の数少ない理解者だが、まろん自身が諸々の事を隠している為に 基本的に知らないフリをしている。 そして最近では彼女自身のまろんへの想いも表に現れたり、 軽く見ていた大和の中に男を見たりと心が揺れる日々である。 一方では桃栗警察署のジャンヌ特別捜査班の実質リーダーという一面も。 裏表の無い素直な性格をした、極々普通の女子高生。
●水無月大和 学級委員長。16歳。 他人の頼み事を断われない損な性格。 永らく日下部まろんのシンパだったが、最近微妙に宗旨変え気味。 少々ヲタク寄りの趣味を持っているが隠しも公言もしていない。 しかし類は友を呼ぶとは良く言ったもので、実は同じ属性持ちだった東大寺昴と 最近は裏でツルんでいるらしい。 その性格故に敵は全然いない。実は美男子でお金持ちの子息だが本人が無自覚なので サッパリ恋愛の武器にはならないのだった。 そんな情けない点を除くと極く普通の男子高校生。
●山茶花弥白 稚空の元婚約者。16歳。ロングヘアー。 もっとも、稚空との婚約を解消したとは当人は思っていない。 日本有数の企業グループの総帥の令嬢であり、半端でない大金持ち。 気の多い主人公とは正反対で、今どき珍しい純愛少女。 最近では暴走気味だった自分を省みる深さも身に付け、着実に本物の淑女への道を 邁進している…かもしれない。 幸か不幸か悪魔との接触が長かった所為で人外の者の気配に敏感になっている。 妙にカンの鋭いツグミを気味悪がっていたが、自分も似たような感覚に目覚めるにつれて あまり気にしなくなっている。 何故か女の子にばかり惚れられてしまう事を除けば極々々普通のお嬢様。
●瀬川ツグミ 日下部まろんの愛人。17歳。金髪、超ロングヘアー。 他人には見せないが碧い瞳。町外れで愛犬と暮らす盲目の少女。 だが、そのハンデを補っても余り有る鋭い勘と聴覚、嗅覚、触覚をもつ謎の人物。 おまけに高校は飛び級で既に卒業している才女だが、そんな事はおくびにも見せない。 近ごろ針路について少し真面目に考えているとか。 母親は死別、既に再婚している父親とは別居中。 母親がフランス系ハーフだった。つまり彼女はクォーター。 彼女の祖母と大和の祖父は過去に近しい関係だった事があり、 その為大和の祖父はツグミの事を影から見守っている。 異性としての男にまるで興味がない事を除くと極く普通の遊び人。
●三枝アキコ 高名な写真家の娘。すでに他界している。死亡当時16歳。 日下部まろんに瓜二つ。何故かミストに連れられて冥界から人間界に戻り、 以後ミストとずっと行動を共にしている。現在ミスト同様に遠い世界に居るらしい。 前後して成仏したともされており、もはや人間界とは縁の無い存在。
●チェリー・ストーン 英国親善大使の愛娘。茶色の髪にアイスブルーの瞳。11歳。 両親が悪魔に取り憑かれた時の恐怖からか、特に父親に対して素直になれなくなっている自分に 悩んでいる。その悩みを解消するために、あの時の事件の真相を知らなければならないと考えている。 その為に来日準備中。 子供らしくない悩みを抱えている事を除くと極く普通の少女。
●大門佳奈子 枇杷高校1年在籍、山茶花弥白の同級生。16歳、短くまとめた黒髪。 所謂弥白親衛隊の下っ端だが弥白に対する想いは一番純粋。時々その想いが暴走しているが 一見とても大人しそうに見えるので過激な活動が彼女のなせる業と知る者はほとんど居ない。 弥白に近づく者に対する敵対心は半端では無いが、何せ小柄な娘である為傍目にも大した驚異 にはならない。 実はとても端整な顔立ちであるがその魅力を損なって余り在る巨大レンズの 眼鏡の愛用者であり、惜しいという声が少数ながら存在する。 ただし起きている時に眼鏡を外すとお約束の様に薮睨みの怖い顔になるので、 可愛い素顔を知る者は本当に少ない。 その極く少数の者の一人でもある弥白から最近は友人として扱われている事に 幸せを感じる今日このごろである。 ややストーカー気質である事を除くと割と普通の眼鏡っ娘。
●桐嶋まなみ 日下部まろんの先輩。17歳。黒髪、ロング、超スレンダー。 新体操の実力には確かな物があったが、まろんと都の入学/入部が彼女の立場を 変えてしまった為に二人にあまり良い印象は持っていない。もっとも彼女自身、 それが間違った考えである事は充分に理解している。 部活動以外に生徒会活動にも熱心であり、一般には非の打ちどころの無い生徒と 認識されている。男女問わず人気があるが、やや醒めた印象をもたれやすい所為か、 実は男子生徒に告白された事は無い。逆に物怖じしない女の子達からは年中プレゼント攻めに あっているが、本人はいたってノーマルである為あまり嬉しくは無い様である。 すこし危ない恋愛に走っている事を除くと極く普通の女子高生モデル。
●春野椿 山茶花家に住込んでいるメイドの一人。弥白と同い年。 飾り気の無さで損をしているが実はかなりの美形。 しかしながら弥白の傍に在っては残念ながら目立たない。 父兄姉を亡くし母は行方不明というあまり幸福とは言えない生い立ちだが、 その一方で今の生活をとても幸せだとも思っている。 弥白は永らく憧れの主人であったが、最近ふとしたきっかけから弥白と友人になる事が出来て 更なる幸せを感じている。 自己主張がやや不足気味である事も含めて極く普通のメイドさん。

■魔界の皆さん

●フィン・フィッシュ 日下部家の元居候の堕天使。人間界の時間換算では四歳だが生まれた時点で既に今の姿であったらしく 外見/精神年齢/実年齢がまるで一致しない。外見だけで見れば十代後半の姿。 天使なんで性別も無さそうなものだが、ちゃんと?女の子。 何らかの理由あって天界を離れ、魔界にて魔王への忠誠と愛を誓った。 神の為と偽って魔王の命令をまろんに行わせていたのだが、それを知って後も、まろんの 自分に対する態度が変わらない事に戸惑っていて、時に魔王に対する忠誠が揺らぎそうになる事も。 だが彼女自身の矜持が進む道を変える事を許しはしないのだった。 不幸なオーラが溢れて見える事を除くと多分普通の堕天使。
●ミスト 自称、正統な悪魔。年令不祥だが、数百〜数千年は生きているらしい。 まろんとの戦いの最中に封じられていた本性を現してしまい、魔王の命によって作戦行動から離れた。 以後、魔界には戻らず放浪の旅に出ている。 言行不一致の極みにある点も含めて至極真っ当なヒネクレ悪魔。
●ノイン 元人間。まろんの(魂の)先祖であるジャンヌダルクの腹心の騎士だったが、 彼女の死後は彼女を守ってくれなかった神への復習の為に魔王に忠誠を誓っている。 人間界では紫界堂聖と名乗る。 本来の人間界での役目はジャンヌ抹殺なのだが、実際は公私のうち主に私の部分で 充実した学園生活を送っている様子。 手が早い事を除けば極く普通の見習教師。
●シルク ノインの使い魔。年令不祥だが、言動から察するに10代前半。 本来の姿は竜の様に見える魔獣であるが、ノインの術により人間の少年の姿に変身して暮らしている。 その姿は、まろんの友人の姿を受け継いでいて彼と同じ名である、"全"と名乗っている。 相当とぼけた奴で毒にも薬にもならない事を除けば極く普通の少年。
●ミカサ 元人間。ノインの信頼できる右腕にして数少ない友人。前世では桃栗町の住人であったらしく、 色々な点において因縁浅からぬ人物。だがノイン同様、彼もまた自分に関してはあまり多くを語らない。 ユキの想いを知りつつ、しかしそれを受け入れる事が出来ない壁が彼の中にはある様だ。 考えが読みにくい事を除けば多分普通の優男。
●ユキ 正統悪魔族の娘。外見上は二十前後に見えるが、もちろん見かけに騙されてはならない。 銀色の髪に金の瞳というのが本来の姿だが、黒髪に茶の瞳という変身後の姿も結構気に入っていて 必要も無いのにその姿で居たりする。どちらにしても良い意味で目立つ容姿であり、 万人が美女と認める完璧な姿。だが何故か今まで男というモノと親密になった事は無いらしい。 唯一の例外は現在彼女が心から仕えているミカサ。 しかし彼の何処に惹かれたのかの答は彼女の中にのみある。 何故か幼少の頃より外界に対する興味が強く、悪魔族の者としては大変珍しい事に他種族の者との 交流も多かった。むしろ同じ悪魔族との関係の方が薄かったくらいである。 その暮らしの中から得た知見の広さ故か彼女には非常に公平な性格が宿り、その事がますます彼女を 同族から遠ざけてしまったのである。 実はミストの妹にあたる系譜だが強大過ぎた姉は彼女にとって思慕と同時に畏怖の対象だった。 人間界へ赴いた目的のひとつは姉と対面し自らをもう一度見詰め直す事だったらしい。 しかしミストが居ないと知った時、彼女は姉の影を追う事よりもミカサの為に尽くす事を選んだ。 多少、妄想癖があり行動が現実から遊離している場合も。 優しいという点において全く普通では無い落ちこぼれ悪魔。
●レイ 禁断の恋に身を焦がし天界から放逐され、魔界に下った堕天使。だがその経緯には 隠された部分があるらしい。漆黒の髪、紫水晶のごとき瞳。ややツリ目。 勤勉で超が付く真面目な性格であり、放っておくと倒れるまで仕事をし続けるタイプ。 だがその生真面目さは時として他者との間の軋轢ともなり、知らぬ間に誤解を受けたりも する損な性格。 天使としての基本的な能力の他に、炎を操る事が出来る。また剣術も得意であり、 恐らく個の能力としては魔界に住まう天使族の中では最強レベル。 真面目過ぎて少々とっつきにくい事を除けば極く普通の百合天使。
●ミナ レイと共に魔界へやって来た堕天使。腰まで届く金髪、空色の瞳。 相方のレイとは違い、必要以上に働いたりはしないが決して不真面目な訳では無い。 彼女もまた特異な能力を持ち、雷を自在に操る。この様な自然界の事象を我が物と する能力を持つ者は魔界の住人に多く天界の者には少ないとされるが、その事と彼女達が 魔界でも比較的上手く馴染んで暮らしている事は多分無関係。要するに二人だけの 世界を何処でも作れてしまうという事である。 レイの事以外をあまり考えていない事を除けば多分普通の百合天使。
●アン 竜族有力氏族の娘。赤茶色の髪、茶色の瞳、そして種族共通の褐色の肌を持つ。 アウストラリス大戦の際、同氏族に戦士となるべき男子が居なかった為に看護兵として参戦。 その際の体験から記憶喪失となっていたが、最近そのトラウマを多少なりとも克服し自分が何者かを覚った。 彼女の潜在能力は伊達に有力氏族の血を引いている訳では無い卓越した物があるのだが 本人はまるでそれを喜んでいない。だが周囲の考えはそうでは無く、「アンが男だったら…」というのが 族長達の共通の見解であった。 もっとも彼女は竜族の娘としては並み外れて大人しく優しい少女で、近隣の他の種族の子供も分け隔て無く 世話をしていた。その卓越した能力も攻撃では無く子供をあやす為に使われるだけだったのである。 幼生体だった頃のシルクの世話をした事もあり、シルクの言う所の“隣りのお姉さん”は彼女の事。 エリスの双子の片割れだが竜族は双子を不吉としていたのでエリスの方は里子に出された。 ただしその事は当人達は自然に知ってしまい秘密ではない。 また、たまに互いを訪ねたりもしていた。 エリスと同じくアンという名も通り名で本来は二人の名をそろえると魔王の祝福の言葉となる為、 片方の名前だけでは微妙に意味が通らない。 竜族としての真の姿は赤銅色の皮膚を持つが、これは竜族としては特に珍しい体色では無い。 ただしその光沢は異彩を放っていた。 種族の伝統にまるで興味が無い事を除くと極く普通の豪族の姫様。
●エリス 魔界で悪魔族に次ぐ力を持つ種族である竜族の有力氏族の娘。 一見すると人間の十六歳ぐらいの少女に見え、精神年令も同じような物だが本当の年令はもっと上。 艶のあるやや褐色気味の肌は種族全般の特徴だが、真珠色の髪の毛は過去例が無い。瞳は赤。 フィンが魔界に初めてやってきた頃に身の回りの世話をしたのが彼女だが、フィンは自分が魔界で 高い地位に遇されるとは思っていなかった為に世話係の彼女も地位が低い種族だと勘違いしていた。 本当は悪魔族か魔界貴族(魔界外からの有力移住者)の館に仕えるべき由緒正しい身の上。 生まれた直後に魔王の下に引き取られた為、肉親との交流は全く無い。 本当の名前は声にも文字にも表せない独特の言葉で表され、エリスは通り名。 本来の姿になると身体全体が真珠色に輝く。普通の竜族の者は茶褐色か黒色、青銅色等の暗色の身体を持ち、 白に近い素肌を持つ者はやはり他には居ない。 双子の片割れであるアンですら本来の姿の時は皮膚の色が違い、アンは赤銅色。 もっとも、金属光沢を肌に持つ者はこれまた他にはおらず、姉妹揃って見かけからして異端の者だったのである。 本来の姿を嫌ってはいないアンと違い、エリスは育ての親とも言える魔王にすら物心ついた年頃以降、 竜の姿を見せた事は無い。そもそも自分が竜族である事すら認めないくらいなので当然であろう。 その為、同僚の王宮付きの侍女のほとんどは彼女が本当は何者なのか知らない。 ちなみに魔界において王宮の“侍女”とは近衛兵とほぼ同義であり、彼女達の実力は正真正銘の本物である。 やや自信過剰な言動が多い事を除くと極く普通の魔界のメイドさん。
●シド アンやエリスの家とは別の有力氏族の血筋。しかし傍系である上に第二子だった為、 親からも一族からも大して期待されず伸び伸びと育った。竜族の人間界侵攻作戦に 参加したのも、外の世界を見てみたかったという実に個人的な理由。一般的な竜族の 男とは多少価値観が異なっており、伝統や風習へのこだわりは小さい。しかしながら そういった考えを表立って表明して不興を買ってしまうほど正直でもない。故に 種族内ではそれほど目立つ存在では無い。だが人間界での潜伏生活の間は完全に しがらみから逃れていた為に本性を現し、仲間達からも一目置かれる遊び人と 化した。甘いマスクと竜族の平均よりはスマートな身体を持ち女性には受けが良い。 そこはかとなく軽薄な空気を漂わせている事を除けば、極く普通の兄ちゃん。

■天界の皆さん

●アクセス・タイム 名古屋家の居候の準天使。天使の常として年令不祥だが、フィンと同期であり同い歳でもある。 魔界に墮ちたフィンを救うために、フィンの魔族としての仕事を邪魔するべく人間界に来た。 実際に苦労するのは相棒のシンドバッドであるが、あんまり感謝している様に見えない。 もっともシンドバッドも自分の好きでやっているのでお互い様という奴である。 少々騒がしい事を除けば、極々普通の天使だろう。多分。
●セルシア・フォーム 人間界におけるフィンの魔界勢力としての活動が顕在化した事に伴う増援の一人で、 フィンやアクセスと同期の準天使。 所謂“天然”であり敵味方を問わずボケ倒す全方位無差別砲。 ぽわ〜んとした雰囲気と独特の喋り方の所為もあり、まったく人畜無害にも見える。 だがその一方で精神感応能力は天界でもトップクラスの実力を持っており、彼女の前では憑依系の魔族は全く敵では無い。 トキの事を秘か(しかし周囲には一目瞭然)に想っている。 天使の多くがそうである様に食べ物に目がないが、任務より食べ物の方が大事と思っているのでは? と思わせる言動がしばしばある。 やたら居眠りが多い事を除けば普通かもしれない天使。
●トキ・ハイヤー セルシアと同じく増援の一人であり、フィンやアクセスと同期の準天使。 頭脳明晰沈着冷静と絵に書いた様な切れ者。 セルシアが寄せる想いを知りつつ、今は任務優先と自らを律する事も忘れない堅物。 だが少々堅過ぎのきらいもあり時折そんな融通の効かない部分が自らの足を引っ張る事も。 しかし本人がその事を自覚している為、大抵の場合はそれは大きな失敗にはならない。 やや面白みに欠ける事を除けば極く普通の真面目天使。

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