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Subject: Vampire MIYU #19 (02/16)

佐々木@横浜市在住です。
こんばんわ。

他の作品のことを前振りに書く気が起きません。
頭の中から璃莉ちゃんの悲しい瞳が離れないから。
これはよかったぁ。
此までのTV美夕で確実にベスト3に入りそう。
取りあえずは暫定一位です。
コメントが少なめなのは語るべき言葉が見つからない為です。
(ぐっと来過ぎるとこうなるんです。)

# あんまり面白くないときもコメントは少ないですが。^^;

TV美夕がとても人間臭いのは基本的には
"気にならない" といった程度の印象ですが、
今回はむしろ好意的に感じます。

# 先週のにっこりが気になったのは、あの話しでは美夕は神魔にも
# 当事者の人間にも興味が無いだろうと思ったからです。
# 興味が無ければ感情も現れなかろうと言う事です。
# 美夕が誰かに肩入れして感情を現すのはTV美夕では全くOKです。

とっとと本題に行きます。
もし今回見損ねた人はビデオを買いましょう。
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      __( \  /  \  / )__
     (___  ooo  ooo  ___)

   「あそこはおかしいよ。」


    人気の無い夜の道に街灯が作り出した光の島が浮かぶ。
    高い塀の奥に建つ温室に揺らめく炎。
    一人の少女が近づくと炎はその勢いを増した。
    少女は「お父さん!」と叫んだが返事をするものは無かった。

        [オープニング]

            [CM]

            第十九話

         「鱗翅の蠱惑」

    その日、時輪学園では国語のテストが行われていた。
    テストの最中に美夕は窓の外を飛ぶ蝶を見た。
    蝶は闇を放つように黒く美しかった。
    テストが終わると千里たちは美夕に出来を聞いたが
    美夕は、まあねと答える。それでもきちんと成績を上げている
    美夕に何時勉強するのと聞くが美夕は答あぐねた。
	しかし千里は、すぐにテストの鬱憤を
    晴らすべく次の行動を提案した。

普通なら羽の下側に出来るはずの影が羽の上側にあるのが印象的。

# 千里が第一問目の答を五個書いた頃、
# 美夕は全部答を書き終わっているのでした。^^;

    校舎の外に出た千里たちと美夕。
    そこへ先程の蝶が再び美夕の視線を横切った。
    蝶の飛んでいった先を美夕が見ると一人の少女が居た。
    蝶は少女の周りを飛び回っていた。
    美夕は千里たちに少女の事を聞いたが、彼女の家で小火騒ぎが
    あったことしか判らなかった。
    美夕は彼女と話してくると言って別れを告げた。
    そんな美夕を千里は「優しい所があるから。」と言い、
    由香利は「止めといたほうがいいのに。」と言った。

なぜか由香利らしくない引っかかる物言いですが、
それには理由が有るのでした。

    美夕が少女に声を掛ける。少女は驚いたように振り向いた。
    その手には包帯が巻かれていた。
    労るように火事のあったことに触れると少女は温室での事だと言った。
    少女は話しかけられた事自体に戸惑った様子だった。
    蝶をすてきな友達と言った美夕に温室から逃げてきたのだろうと言う少女。
    家に来てくれないかとの少女の誘いに美夕はついていくことにする。
    道すがら、少女は父が古生物の研究者であること、大学で教えていたが
    体調を崩してから家に閉じこもっていることを話した。

    高い塀に囲まれた屋敷が少女の家だった。
    少女に誘われるままに門をくぐる美夕は、大きな温室に目を留めた。
    美夕を招き入れた少女は父に会って欲しいという。
    美夕は驚いた。少女は美夕の驚きを察し、友達でもないのにごめんねと
    言うのだが、美夕は既に友達だよと言って彼女を安心させた。
    少女は「曽根 璃莉」と名乗った。

何かを言いだすとき、必ず惑う璃莉ちゃん。
きっと今まで大勢に拒否され続けたんでしょうね。
美夕は千里の言うように察しの良い優しい娘モードです。

    部屋に案内された美夕は彼女の父を紹介される。
    だが美夕は彼に何かを感じていた。
    璃莉が美夕を紹介したが曽根は、うわの空で受け答しただけだった。
    しかし璃莉は自分には友達が居るから心配いらないと言い父親を
    元気付けようとしていた。

    璃莉は美夕に温室を見せていた。
    そして父が昼間はいつも、あの調子であること、夜になると
    この温室にこもって居ることを話した。
    美夕は温室の片隅にある焦げた一斗缶を目に留めていた。
    璃莉は美夕に父に会ってくれてありがとうと言い
    美夕はどう致しましてと答えた。

    夜の道を歩く美夕と死無。
    死無は美夕も感じたんだねと言い、美夕は神魔の匂いだけだと答えた。
    死無は温室には太古からの澱みの様なものがあると言った。

暗くなるまで、お邪魔してたんでしょうか。
それとも夜になっての偵察?

# 死無がなんでジュラ紀の臭いを知ってるんだ?
# あいつはそんなに年寄の神魔なのか?(笑)

    薄暗い温室にやってきた曽根は「モル」という名を呼んだ。
    彼はモルを捜し回り出てきて欲しいと哀願する。
    草むらが音を発て、うっすらと光が漏れる。
    曽根が被さっていた葉をどけると輝く髪と翅を持つ
    少女が身体を震わせていた。
    その翅の先は痛々しくも黒く焦げていたが。
    「ああ、モル。」
    「どうしてあんなことをしたの?あんたは私のこと嫌い?」
    「違うんだ、怖くなったんだ。君と過ごすときが余りに甘美に過ぎて。
     しかし、もう判ったのだよ。君と居るときの私が本来の私なのだと。」
    「二度と私のこと、嫌いなんて思わないで。」
    「思うものか。君無しではもう私は駄目なのだ。」
    「ちゃんと言って。私のこと、どう思っているのかを。」
    「愛してるよモル。君こそが私の愛だ。」
    モルの翅が見る間に元通りになっていく。
    そして曽根はモルの翅に抱かれていくのだった。
    暗い温室にぼんやりと灯りが広がった。

曽根が神魔に取り憑かれていると、ここまでは見えます。
すっかりやられました。引っかかった。

# この辺りまでは、こういう神魔なら家にも一匹ほしい^^;;なんて
# 思ってました。

        [CM]

    翌日の朝、璃莉は美夕に声を掛け親しく話しをした。
    その様子を由香利は厳しい表情で見つめていた。
    教室に入り机に座った美夕に由香利は璃莉と親しくしないほうが良いと言う。
    美夕ははぐらかすようにお早うのあいさつをした。
    だが、それを聞き付けた千里と久絵がやってきた。
    そんな事を言うのはかわいそうだと久絵は言ったが、
    由香利は美夕の為だと言い、璃莉が半年前に「施設」から出てきたこと、
    五歳の頃、母親を階段から突き落としたという噂、そして転入時に
    教師に怪我を負わせたことなどを語ったが、美夕はただ微笑んでいるだけだった。

# 千里のいつもの性格なら美夕と一緒に友達になりに行くんじゃないかと
# 思ったんですが。千里はそういうこと気にしないと思いますよ。
# まあ、些細なことですけど。

    休み時間に璃莉は美夕にそのような事は自分では覚えていないのだと言った。
    美夕は覚えていないことは起こっていないことだと言って元気付けるのだった。
    本当のことは記憶にあることだけなのだと。
    しかし璃莉は父の記憶には有るのだと言いかけた。
    美夕は璃莉に彼女の父が毎晩温室に行く理由を聞いた。
    彼女が家に戻った直後に、一匹の蝶が届いたのだという。
    戯れに温室に放した蝶は、突然に美しく蘇り舞ったという。
    そしてそれ以来、曽根は温室に入り浸って居るのだと。

    夕食時、璃莉は父に昼食を食べて居ないことを知ったと話した。
    彼女が作って置いた昼食が棄てられていたのを見付けたのだと。
    「お父さん、私のこと許してないのね。
     私、この家に帰れて嬉しかった。お父さんの居るこの家に。」

肉を切るナイフの音が不安を誘います。
痛い。
皿の上のだんだん細かく切られていく肉が璃莉ちゃんの心でもあるのです。

# 見ている私の心でもある。

# ここら辺、痛いのでわざと本編からの台詞の引用を減らしてます。

    その夜も曽根は温室出かけた。
    璃莉はその気配を感じていた。
    彼を迎えるモル。
    モルの翅に抱かれて曽根は別の世界に辿り着く。
    そこは彼が夢見た世界。
    此で生きて行けるかなとモルは言ったが、曽根は何処であろうと
    モルが必要だと言う。
    彼は溶けてしまいそうだと言い、モルは溶けてしまいなさいと言った。
    曽根を胸に抱くモル。
    そこへ笛の音が響き渡る。
    美夕は曽根に夢から覚めるように言う。
    笛の音に追い立てられるようにモルは闇の中に消えていき
    曽根はその場に座り込んだ。
    モルなんて居ないと美夕は言う。
    「最初から蝶の妖精なんて存在していなかったの。居たのは ...」
    美夕が指差した先には、倒れ伏した璃莉が居た。
    茫然とし、情況が理解できない曽根。
    目を覚ました璃莉は美夕と曽根を認め二人に詰め寄った。
    「何よ ..これ ..友達じゃ無かったの?
     どうしてこんな所でお父さんと二人で居るの?」
    「璃莉 ...」
    美夕は悲し気に目を伏せた。
    「お父さんは私だけを愛しているの。
     私だけがお父さんを愛せるし、
     私だけがお父さんに本当の夢を見させてあげられるし、
     だって、あの人はお父さんの事なんて愛する資格なんて無かったもの。
     だから私があの時 ...あの時 ...あの人を ..あの人の背中を。」

# やっぱり引用すると、あの突き刺すような台詞の痛さが全然生きてこない。

    美夕は彼女に璃莉の父への愛が神魔に利用されているのだと告げたが
    璃莉はただ判らないと言うだけだった。
    だが曽根は再び璃莉の姿にモルを重ね合わせていた。
    自分のことをモルと呼び、抱いてくれと言う父を見て困惑する璃莉。
    しかし、美夕のささやきが彼女に父親との幻惑の日々を思い起こさせる。
    「あなたは、ずっと小さい頃から一人だけで愛したかったのね。
     その気持ちが強すぎるの。お母さんが邪魔だった程に。」
    「嘘 ...」
    眼前に迫った父親の中に狂気を見た璃莉は絶叫する。
    その時、彼女の背後から黒い影が沸き上がる。
    それは不快な羽音とともに形を変えた。

        神魔「蠢奸」(まじかん)

モルが神魔だと思わせながら実はモルは完全に曽根の幻想の産物でした。
神魔が化けているのですらないのです。
そして彼の幻想であるがゆえに、この後でモルは姿を変えています。

# "蠢"の字は画面が達筆過ぎて読み取れたか少々自信なしです。
# 手元の漢和字典では「まじ」とは読まないようです。
#
# 蠢(しゅん)
# 字義1:うごめく。虫の動く様子。
#     2:愚か。無知で道理をわきまえない。
#     3:少ないさま。
#
# 奸(かん)
# 字義1:犯す。婦女を汚す。してはならない事をする。
#     2:求める。
#     3:よこしま。

    醜怪な姿を現し、美夕に襲いかかる蠢奸をラヴァが切り裂く。
    だがその様子は曽根には切り裂かれるモルに見えているのだった。
    彼はモルを苛めないでくれと嘆願する。
    ラヴァは神魔は実体を持たないと告げた。
    細かな蟲となって美夕を包み込む蠢奸。
    だが美夕は自ら炎となって神魔を闇に帰した。
    それを見た曽根は炎に飛び込んで行った。
    炎の中に去っていくモルの姿を追っていったのだ。
    美夕は愕然となるがラヴァは彼が望んだ事だと言った。

ここで、モルの姿が変わっています。
大人の女性に。
今までは璃莉ちゃんの姿に重ねていたモル。
しかし、本当に求めていたのは最後のモルでした。
多分、死んだ奥さんだろうと思うのですが。
そして璃莉ちゃんは自分が置いていかれた事を知ったでしょう。

    一人残された璃莉は力なく座っていた。
    もはやその瞳には何も映って居ないようだった。
    ラヴァは既に心を閉ざしているのだと言う。
    美夕はラヴァに先に帰るように言った。

    二人だけになって美夕は璃莉に語り掛ける。
    「璃莉。もう寂しさなんて感じなくてもいいからね。」
    美夕は璃莉に永遠の夢を与えた。
    夜空には、ただ月が輝き、ただ蝶が舞うだけだった。

        第十九話・完


見終わった後、とても悲しい気分です。
なんて救いの無い話なんでしょ。
誰もが愛したかったのに、愛した故に崩壊してしまうなんて。
でも、だからこそ長く心に残りそうではありますが。
璃莉ちゃん、せめて幸せな夢を。

今回、美夕は何度か目を伏せています。悲し気に。
最後のお別れも朋友のラヴァにすら見せたくはなかった様です。
結構マジでお友達になりかけたように見えますが。
千里とお別れする日が来たとしたら、あんな顔するんでしょうか。

# 神魔に関わった人々がろくな目に会わないことは判っているんですがねぇ。
# 犠牲者を可愛そうだと思えるかどうかは評価に多大な影響があります。
# 今回はホントに可愛そう。

# 全体的に綺麗な絵でした。が、ときどき美夕の顔が変わります。
# まるで別人の様に。^^;
# でも美人。^^;;;;;;;;;

# いつもなら絶対に萌えるはずのモルにも萌えられない。
# 悲しすぎ。;_;
# でも、璃莉ちゃんには萌えてます。(自爆)

        [CM]

    [エンディング]

      [次回予告]

    迷い込んだ村は神魔の兄弟に狙われていた。
    不思議な空間の中で私は思い出した。
    守護神魔、監視者を守る一族が居たことを。
    私が此へ呼び込まれたのは、その所為なのだろうか。

        次回 吸血姫・美夕

        「神魔の旗」

    思い出が蘇り始める。

なんか、変な名詞が出てきましたな。
妙な方に話が曲がらないといいんですが。

では、また。

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■■■■■■ 佐々木 英朗 ■■■■■■■
■■■■ hidero@po.iijnet.or.jp ■■■■
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