「蛍ちゃん。」
火乃紀が顔を近付けてきて言った。
「まだ私に話してないこと、あるでしょ。」
蛍汰はたじろいだ。
「え?全部話したよ。」
「うそ。」
「本当だってば。」
火乃紀が睨んでいる。蛍汰には本当に心当たりは無かった。
だが。
「じゃぁ言ってあげる。チャンディ、大きくなったんでしょ。」
そういえばそういう話はしなかったか。だが本筋とは関係ないから。
蛍汰がそう言おうとした時にとどめが来た。
「さっき私があの娘の事聞いたらニヤニヤしてたぞ。可愛かったの?」
「いや、そ、れ、は。」
顔に出ていたらしい。
「それに、この前、紗孔羅の妹の話をしたときもニヤついてた。」
「そんな事ないって。」
「蛍ちゃんのバカ!」
そう言って火乃紀は自分の部屋に行ってしまった。
明日の朝食当番は火乃紀だった。
蛍汰は何を食わせられるのか心配になった。


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