エピローグ

あまり広くない部屋におかれたコンピュータディスプレイ。
二人の人物が、それを見つめていた。
「予定通りに、第3新東京市に定着しましたよ。」
ディスプレイの前に座っている人物が言った。
「わかった。」
後ろに立つ人物が答える。
「ダミーの廃墟が役に立ったんですね。」
「そうだな。」
「で、次はどうしますか?甲斐さん。」
「当分放って置いていい。
 いずれ役に立つだろう。」
それだけ言うと部屋を後にした。

「ああ、この私の役に立ってもらう。
 それまでは自由にさせてあげる。
 すばらしい私の分身よ。」
残された人物は目を細めて嗤った。


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