どうしよう。
どうすれば。
どうするの。
何を。
何処?
みんな?
シンジくん?
アスカ?
ミズホ?
ヒカリ?
トウジくん?
ケンスケくん?
ゲンドウさん?
ユイさん?
レイ?
カヲル?
終わるんだ。
意外と。
簡単。
怖くない。
もういいの?
だれ?
おわりなの?
あなたは?
私はあなたよ。
私?
あなたなら。
え?
あなたなら幸せになれそうだから。
幸せに?
だからあなたに託したの。
私に?
そうよ。
どうして?
終わってしまったから。
なにが?
こころが。
もういいの?
わからない。
幸せになれた?
わからない。
幸せにできた?
わからない。
もういいの?
どうしたらいい?
出来ることを。
行かなきゃ。
何処へ?
私の居場所へ。
まだ。
ある。
出来ることが。
「さて、これで私は元通りだ。」
カヲルはそのままの姿勢で動かなかった。
ミドリは今はレイが抱きしめていた。
「ご執心だね。でも、抜け殻だよ。」
「 ...」
「まあ、好きにするさ。こっちも仕上で忙しいしね。」
ジッ
一瞬の後、壁が光の矢を逸らした。
「ふん。兵隊どもと同じと思われるとは。」
「反撃、来るわ!降りるわよ!」
第1射が返された事を確認するとミサトはただちにその場を離れた。
的確な判断と言って良いだろう。
ミサトと2人のメンバーが第10光炉の屋上のドアを
閉めるのとほぼ同時に先程まで居た屋上の縁の部分は
溶けて地上へ降り注いでいた。
「ミラーの動きが遅いな。動く標的を相手にするのは無理か。」
外部からの干渉が無ければ壁は昼の光に溶け込んでしまう。
だが、展開したままにすれば光を屈折させてその姿を表す。
リョウは周囲に壁を巡らせた。
「すこし、失礼するよ。すぐ、戻る。」
瞳の奥の輝きが増す。
表情が無くなって行く。
「大方、片付いたか。」
「そのようだ。」
本部へ侵入していた敵の実働部隊は
既に活動を停止していた。
「敵の使った防御方法が判るといいがね。」
「サンプルは得た。」
「証言は無理かな。」
「彼等もプロだろう。それに、既に意思は有るまい。」
「装備だけが手掛りか。」
「解析を急がせよう。」
「司令!」
インターフォンが叫んだ。
「どうした。」
「メインシステムが外部からの侵入を受けています!」
「どうやら敵の大将がお出ましだね。」
「ああ。」
「既に初号機、弐号機まで浸食されています!」
「手順Y−01で対処。」
「了解!」
地下司令室では以前の時よりも早い侵入速度に騒然となっていた。
「松木さん!司令は何と?」
「手順Y−01だ!急げ!」
「他はいいのですか?」
「そのようだ。」
ただちに手順は実行された。
それはたった1つのプロセスの実行だけであった。
「本当にいいんでしょうか?これだけで?」
「司令のお考えは分からない。」
「はあ。」
「だが、誤ったことはあるまい?」
「そうですね。」
スクリーンで見る限り、外部からの侵食は間もなく完了すると思われた。